主人公・斉藤龍彦と瀬能悠司、そして由森美咲は学生時代をずっと一緒にすごしてきた仲良し3人組。3人の関係は誰もが羨むような仲の良さで、信頼にあふれていた。
だがある日、すべてが変わる。悠司が美咲へ告白すると龍彦に打ち明けたのだ。龍彦の美咲への気持ちを知りつつも、龍彦に嘘をついてまで美咲に告白できないと告げる悠司。そんな誠実な親友のために、美咲を任せられるのは悠司しかいないと龍彦は答えた。しかし龍彦の中にわずかな影が生じていたのも確かだった。
それから表面的には変わらない3人の関係だったが、龍彦と、美咲・悠司の関係には目に見えない壁ができていた。3人で仲良くやっていた頃とは、なにかが違ってしまった。付き合いだした美咲と悠司の関係がうまくいっていないことにも龍彦は気づいていた。そして悠司とすれ違う美咲の寂しさをいやすため、龍彦は彼女と関係を持ってしまう。
美咲を抱いたことで、龍彦は罪悪感をおぼえる。親友である悠司への裏切り。正々堂々と美咲とつきあいたいと告白した悠司。龍彦は、そんな悠司の恋人をひそかに抱き、処女を奪った。美咲を女として何度も満足させ、龍彦自身の男のプライドも満たされる。 だが、やっていることが薄汚い裏切りであることにかわりはなかった。
そして、美咲も同じだった。龍彦の気持ちを知りながら、悠司とつきあい始めた。だが、寂しさが隠していた恋心を目ざめさせ、龍彦に処女をささげる。彼女も、悠司への裏切りに自分を責めていた。
龍彦と美咲は、親友を、恋人を裏切っているという罪悪感から目をそらそうと、肉体の快楽に溺れていく。龍彦は美咲の体を汚すことで、美咲は龍彦の要求に応えることで、互いの罪悪感から目をそらす。
口に出せない関係だからこそ、大胆に過激になっていく2人のセックス。悠司への裏切りという罪悪感に囚われた2人は、背徳感という甘美な深い穴の中へどこまでも堕ちていく。
そして、レイプ未遂の体験から逆に女性を汚したいという欲望に駆られるレズビアンの杉原静乃や、優しすぎる恋人に自分の中の嗜虐心を満たしてもらえない大学職員福来奈保を交えて、物語は昼間に見せる姿と対照的な、秘密の、夜にだけあらわれる淫靡な表情という2面性が絡み合いながら進んでいくことになる。